愛宕神社の来歴
宮城県中央部、県域を南北に区切る黒川丘陵上に立地する市、富谷市。市域北部、七北田村より吉岡町へ抜ける奥州街道沿いに旧黒川郡富谷村(現富谷市富谷、富ヶ丘ほか)があり、伊達政宗により新たに取り立てられたという富谷新町宿の西側丘陵には、勝軍地蔵と思しき石仏が祀られる愛宕神社があります。
伊達神社とも称される愛宕神社は、寛永十七年(1640)鶴巣城主黒川晴氏に仕えた内ヶ崎織部が建立したと伝え、その床下には政宗の石像が埋没するとの伝説が残っていました。昭和五十三年(1978)台風により社殿が大破した為、翌年に社殿改築を行った所、伝説の通り地中から石像が発見されたといいます。
その碑面には「愛宕神社祭神 迦具土命中納言伊達政宗公馬乗姿」及び「当駅者元和四年中大守伊達中納言政宗公貞山利行大居初所置之也所以小駅労諸役御免許矣作之崇神霊而奉祝権元祈村民安穏者也 享保八癸卯十月二十三日」と刻まれ、宿場の歴史を伝える貴重なものとして市指定有形文化財となっています。
愛宕神社(愛宕山 伊達神社)へのアクセス
- 〒981-3311 宮城県富谷市富谷矢倉下
- 地下鉄南北線「泉中央駅」よりバスで「湯船沢」下車、徒歩8分
- 仙台北部道路「富谷IC」より車で4分
参考文献
- 角川日本地名大辞典編纂委員会編(1979)『角川日本地名大辞典4 宮城県』角川書店.
- 大塚徳郎・竹内利美編(1987)『日本歴史地名体系4 宮城県の地名』平凡社.
- 富谷町誌編さん委員会編(1993)『新訂 富谷町誌』富谷町.
- 木村孝文(1996)『仙台の石仏散歩 散策のガイドと石仏入門』宝文堂.