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小浜城跡

石橋氏の家臣大内氏の居城であったが、天正十三年、会津侵攻の拠点として伊達政宗が入城、上館と呼ばれた宮森城に対し、下館と称された。

小浜城跡の来歴

福島県中通り中央北部、阿武隈山地西斜面の町、旧安達郡岩代町。町域西部、北流する小浜川流域に旧宮守村(現二本松市小浜)があり、小浜の街並みの北側、移川とその支流小浜川の合流点を望む丘陵上には、大内氏代々の居城で、後に政宗が二本松攻略で一年にわたって拠点とした城館、小浜城があります。

宮森城(上館)に対して下館とも呼ばれる小浜城は、南北九〇〇㍍、東西八〇〇㍍、標高三〇〇㍍の山頂を中心とする中世の山城で、三つの曲輪群からなる本城部分と出城部分に大別でき、主郭南の虎口東側一部には蒲生氏再入封時代とみられる石垣が現存、対となる西側にもかつては石垣が積まれていました。

小浜城の南側、現在二ツ石稲荷神社が祀られている場所は、弱点でもある南側の尾根に普請を施して出城とし、独立状の防御拠点としたもので、二〇〇〜三〇〇㍍にも及ぶ人工の遺構が確認されるほか、出城のかつての字名「月山(築山)」からも、相当な量の土砂が動かされたことを窺い知ることができます。

小浜城は、石橋氏と共に奥州に入った大内氏が文明三年(1471)に築いたと伝えられ、その形勝が旧地の若狭国小浜に酷似することから小浜城と命名されたといいます。永禄十一年(1568)小浜城主大内備前義綱は、百目木城主石川弾正と共に田村隆顕に内応、主君石橋氏を滅ぼして塩松領を手中に納めました。

天正十一年(1583)小浜城主大内定綱は、二本松の畠山義継とともに田村勢の百目木城主石川弾正を攻め、翌年には清顕とも戦って田村から離反。翌十二年に政宗が家督を継ぐと祝儀として米沢に伺候し、今後は米沢に詰めて奉公することを約すも、翌年の正月に小浜へ帰参して以後、再伺候はしませんでした。

天正十三年(1585)閏八月、清顕の要請もあり定綱討伐を決した政宗は、刈松田城主青木修理の内応を契機に米沢を出陣。杉目城から川俣へと進み、定綱が籠る小手森城を陥落させました。樵山城など大内方の諸城は夜のうちに自落、九月末には定綱は小浜城を捨てて二本松に走り、のちに会津へと逃れました。

こうして政宗は塩松を手中に納め、天正十三年(1585)九月、小浜城に入城して下館と称し、父輝宗は宮森城に入城して上館と称しました。翌十月、宮森城において畠山義継による輝宗拉致事件が発生。これを契機に父の敵討としての正統性を獲得した政宗は、小浜を拠点に二本松攻めに向かうことになります。

なお、小浜城搦手の尾根東に字「片倉」があり、空堀で隔てられた郭間を繋ぐ土橋の片隅には、樹高18.5㍍ものヤマナシの大木があります。当地は政宗重臣片倉小十郎の屋敷跡(片倉舘)といわれ、小十郎御手植えとの伝説も残るナシの木は、「片倉のナシの木」として二本松市指定天然記念物となっています。

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国指定史跡 二本松城跡

小浜城跡へのアクセス

  • 〒964-0313 福島県二本松市小浜下舘
  • JR「二本松駅」よりバスで「岩代支所」下車、徒歩10分
  • 東北自動車道「二本松IC」より車で18分

市指定天然記念物 片倉のナシの木へのアクセス

  • 〒964-0312 福島県二本松市上長折片倉
  • 「小浜城跡」から徒歩5分

参考文献

  • 角川日本地名大辞典編纂委員会編(1981)『角川日本地名大辞典7 福島県』角川書店.
  • 平井聖・ほか編(1981)『日本城郭体系3 山形・宮城・福島』新人物往来社.
  • 福島県教育委員会編(1988)『福島県の中世城館跡』福島県教育委員会.
  • 岩代町史編纂委員会編(1989)『岩代町史 第1巻 通史編』岩代町.
  • 岩代町史編纂委員会編(1985)『岩代町史 第2巻 資料編1 原始・古代・中世・近世』岩代町.
  • 岩代町史編纂委員会編(1983)『岩代町史 第3巻 資料編2 近代・現代』岩代町.
  • 岩代町史編纂委員会編(1982)『岩代町史 第4巻 各論編 民俗・旧町村沿革』岩代町.
  • 岩代町史編纂委員会編(1987)『岩城町の城館 第1編 城館』岩代町.
  • 岩代町史編纂委員会編(1987)『岩城町の城館 第2編 小浜城跡発掘調査報告・第3編 四本松城跡〜発掘調査概要〜』岩代町.
  • 庄司吉之助・小林清治・誉田宏編(1993)『日本歴史地名体系7 福島県の地名』平凡社.
  • 福島民報社編(2007)『武者たちの舞台 ふくしま紀行 城と館 上巻』福島民報社.
  • 飯村均・室野秀文編(2021)『続・東北の名城を歩く 南東北編 宮城・福島・山形』吉川弘文館.

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