二階堂盛義後室で政宗の叔母である女城主大乗院が伊達勢を迎え撃つ
福島県中通り中部、阿武隈川と釈迦堂川が合流する地域に位置し、日本三大火祭りのひとつ「松明あかし」で知られる須賀川市。市域の中心部、近世には奥州街道が通り、会津・磐城への道が交差する交通の要衝であったこの地に、二階堂氏の居城であった須賀川城があります。
天正十七年(1589)摺上原の合戦で会津蘆名氏を滅ぼした政宗は、その余勢を駆って釈迦堂川北の陣場山(桐陽高校付近)に陣を構え、須賀川城を手中に収めようとしました。このとき、須賀川城主は二階堂盛義の後室大乗院で、気丈な女城主であり、伊達晴宗の娘として生まれ政宗の叔母に当たる人物でした。
政宗は攻撃に先立ち、二階堂氏へ帰属を働きかけるも、大乗院は降伏することを快しとせず、釈迦堂川を挟んで合戦の火蓋が切られました。城は戦火によって灰燼に帰しましたが、城址碑が建つ二階堂神社に本丸跡が残るほか、西側の長松院境内に空堀と土塁跡、同院北の神炊館神社には外濠跡が残っています。
須賀川城跡/二階堂神社へのアクセス
- 〒962-0842 福島県須賀川市諏訪町
- 東北本線「須賀川駅」より徒歩18分
- 東北自動車道「須賀川IC」より車で8分
萬年山 長松院へのアクセス
- 〒962-0847 福島県須賀川市諏訪町88
- 東北本線「須賀川駅」より徒歩18分
- 東北自動車道「須賀川IC」より車で8分
- 須賀川城の土塁と空堀跡あり
神炊館神社へのアクセス
- 〒962-0847 福島県須賀川市諏訪町45−1
- 東北本線「須賀川駅」より徒歩17分
- 東北自動車道「須賀川IC」より車で6分
- 須賀川城の外濠跡あり