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県指定天然記念物 薄衣の笠マツ

樹齢およそ六百年の笠松の古木で、伊達政宗が仙台城内に移そうとして断念し、見越の松と呼ばれるようになったとの伝承が残る。

県指定天然記念物 薄衣の笠マツの来歴

岩手県指定天然記念物(植物)
薄衣の笠マツ

昭和五十一年三月二十三日指定

この笠マツは、アカマツの一種で、樹姿が典型的な笠(傘)型を呈しており、その樹形、樹勢ともに良好なうえ、大きさ等すべての面において、本県随一のものである。

指定地域内には、三株の老松のほか、七株の幼松が自生しているが、いずれも同種と目され、これ等を含めて県指定されたものである。

昭和五十一年(一九七八年)の指定時における計測結果は次のとおりである。

区分根元幹囲㎝根元径㎝目通幹囲㎝目通径㎝樹高㎝枝張㎝
一号木五六四一八〇五〇七一六一七〇〇一三五〇
二号木二九一九三二五一八〇八〇〇一三二〇
三号木二八五九一二四六七八五五〇一一二〇

これらの樹齢は、右の計測をもとにして、一号木の根元径一八〇㎝が、年平均〇.三㎝肥大し、二号木(根元径九三㎝)三号木(根元径九〇㎝)がそれぞれ年平均〇.一五㎝肥大したものと見なせば、三株とも約六〇〇年と推定される。

〈参考事項〉

この笠マツは、旧法、史跡名勝天然記念物法(大正八年法律第四十四号)に基づき、大正九年に岩手県令を以って、天然記念物に指定された経緯がある。

一方地元では、樹齢千数百年にして、その昔伊達藩時代、伊達領内の名木として書き上げられ、当時藩公が当地往還の際、これを嘆賞し笠松を青葉城に移植するよう命じた。しかし、移植が容易でないことから、家老職の才知で「いかに天下に比類ない名木といえども、路傍下の松故御館に移植するとは如何か」との進言により、移植をとりやめたことから、「見越の松」とも称されたと言い伝えられている。

尚、昭和四十二年、所有者並びに地元の人々が中心となって、笠松保存会を設立し、これの保存に努めている。

〈注意事項〉

指定地内では、次のような行為をしてはいけません。
一、車を乗り入れたり、家畜を離すこと。
一、自然に生息している、すべての松を掘りおこしたり伐採すること。
一、たき火をすること。
一、松の枝先から根元までの地面へふみこむこと。
一、松の木によじのぼったり、枝にぶらさがること。
その他、土を掘りおこす等、松の育成に影響を及ぼす一切の行為。

〈指定範囲〉

所在地 川崎村薄衣字柏木三二九−二
地目 原野
面積 三一八六平方メートル

昭和五十四年三月 川崎村教育委員会

『現地案内板』

県指定天然記念物 薄衣の笠マツへのアクセス

  • 〒029-0202 岩手県一関市川崎町薄衣泉舘
  • JR東日本「一関駅」よりバスで「須崎」下車、徒歩24分
  • 東北自動車道「一関IC」より車で32分

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