虚空蔵堂/虚空蔵山 大満寺の来歴
仙台市域南部、広瀬川右岸沿いにある旧名取郡根岸村(現太白区向山・根岸町ほか)。同村中、仙台城下に取込まれていた愛宕山には、仙台という地名の由来と伝わる千体仏を安置し、虚空蔵菩薩を本尊、日光・月光菩薩を脇仏とする虚空蔵堂とその別当、虚空蔵山 大満寺があります。
虚空蔵堂と大満寺は、中世に近隣を領した国分盛重の居城であった千代城内にありましたが、伊達政宗による仙台城造営に伴い、虚空蔵堂は経ヶ峯北端の広瀬川に面した崖上に、大満寺は現在の瑞鳳寺がある地に移されました。のち経ヶ峯に二代藩主忠宗の感仙殿を造営することとなり、現在の愛宕山に再度移転されました。
虚空蔵堂への急な石段を登ると、江戸初期の禅宗様的手法が色濃く残った本堂があり、その西側には仙台地名由来の千体仏が安置された千躰堂があります。安置される千体仏のうち原体と思われるのは三〇〇体程で、残りは後年に作られたとされています。また、梵鐘は茂ヶ崎の大年寺からから移されたものです。
一方、若林区上飯田にある千手山 満蔵寺の千体仏について、政宗が仙台城築城の際に青葉山鏡ヶ池から移したと伝わるほか、江戸時代後期以降に作られたと考えられる虚空蔵堂の千代仏と比べてより古いものが含まれていることから、千代城付近に古くからあった千体仏の一部ではないかと考えられています。
虚空蔵山 大満寺へのアクセス
- 〒982-0841 宮城県仙台市太白区向山4丁目4−1
- 地下鉄南北線「愛宕橋駅」より徒歩15分
- 東北自動車道「仙台宮城IC」より車で14分