粟ノ巣の変で不慮の死を遂げた伊達輝宗の首塚が残る

福島県の北端、中通り北部に位置する福島市。市域の南西部、荒川と鍛冶屋川の扇状台地に旧信夫郡佐原村(現福島市佐原)があり、鍛冶屋川左岸の山裾には、伊達家にゆかりのある寿徳寺じゅとくじがその前身で、伊達輝宗の首塚と称される五輪塔が残される、宝珠山 慈徳寺じとくじがあります。

天正十三年(1585)十月八日、畠山義継のために不慮の死を遂げた伊達輝宗は、翌日、かつて此処にあった寿徳寺で火葬され、長井荘夏刈の資福寺に葬られました。火葬の導師は資福寺の虎哉禅師、奠茶てんちゃ仏事は寿徳寺の昌室慧繁和尚で、境内には輝宗の首塚と称される五輪塔のうち、二輪のみが残されています。

寿徳寺は、天正十九年(1591)豊臣秀吉による奥羽仕置によって政宗とともに岩出山に移り、のちの慶長六年(1601)頃には仙台城下に移転しました。廃寺となった佐原の寿徳寺は、上杉家の菩提寺である林泉寺の一空雲浦和尚が再興し、伊達稙宗開基の位作山 陽林寺の末寺となり、寺号を慈徳寺と改めました。

慈徳寺の境内には、根回り2.7㍍、樹高12.3㍍、樹齢三百年以上とされる枝垂れ桜があります。佐原ではこの桜が咲き始めると苗代に種を撒いたため、古くから種まき桜として親しまれてきました。開花の季節は多くの人が見物に訪れるこの桜は「慈徳寺の種まき桜」として、市の天然記念物に指定されています。

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宝珠山 慈徳寺へのアクセス

  • 〒960-2158 福島県福島市佐原寺前9
  • 東北本線「南福島駅」から車で21分
  • 東北自動車道「福島西IC」から車で12分